―車を開発する人たちの想いは、「走行データ計測」に反映されているのですか?
クルマの開発では、操作しやすいクルマなのかどうかドライバー中心とした考えで判断されています。クルマの特徴や仕組みを知っていただいたうえで、操作をしていただくと、すごく奥深いことがわかってきます。メーカーが作りこんだクルマ、86であったりLexus RCFであったり、クルマによる性能の違いなどもわかってくると、もっと楽しくなると思っています。そうでないとクルマも思い通りに動いてくれなく、つまらないものになる。「正しくクルマを理解して、そのうえでクルマを操ること」をお伝えしていきたいと思っています。
―スポーツカー「トヨタ86」を講習車に選んだ理由は?
86を講習車にしているのは、挙動の変化がわかりやすいことが挙げられます。現在は、FFや4WDなど様々な駆動方式のクルマが存在しています。どの駆動方式であっても、運転するドライバーがクルマを理解して走行することが大切だと思っています。
FRだけでなくどの駆動方式でも同じですが、タイヤやクルマの性能以上にクルマを走行させることはできません。
たしかに駆動方式ごとの走り方のコツはありますが、まずはクルマの基本となるFR車でしっかりとクルマの特性を学んでもらえれば、自分の乗っているクルマが別の駆動方式であっても通じること、役立つことだと思っています。
―運転が楽しくなることと、安全運転は両立できますか?
「運転の楽しさ」と「安全運転」は両立可能です。両立させるキーワードはスムースな運転操作だと思います。
車を気持ち良く、スムースに走らせる気持ち良さと同乗者が褒めてくれる嬉しさが運転の楽しさにつながり、スムースに走らせるとクルマの動きが穏やかで小さくなり安定するとともにタイヤへの負担も小さくなりエコ運転にもつながる。
市街地だけではなくサーキットで限界に近くで走行するときには高精度のスムースな操作が必須です。ここで大切になるのが運転操作によって発生するGを理解しGを感じることだと思います。このプログラムは運転するに大切なGを分かり易く「見える化」しているところがポイントです。
無駄な加減速をしないこと、カーブを曲がる際にタイヤに負荷を掛けないことを意識すれば、安全かつエコな運転になります。日常で、自分の運転のクセや良くないところを考えながら運転している人はほとんどいないでしょう。
「走行データ計測プログラム」を受けることで、自分の運転スキルを見つめ直し、改善していくことで安全な運転でクルマを操作する。思うように操作できれば運転が楽しくなると思っています。
運転が楽しくなることと、安全運転は両立できるとことですし、我々はそのお手伝いをしたいと思っています。
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